今週日曜日(10月27日)は、アルゼンチンの「大統領選挙」があります。
現政権マクリ(Macri)氏と、
前政権クリスティーナ氏を後ろ盾とするアルベルト(Alberto)氏、
という構図になっています。
本年8月に行われた予備選挙では、
アルベルト氏がマクリ氏に大差をつけて、圧勝しました。
今回の本選挙も、アルベルト氏が優勢と伝えられていますが、
候補者6名の大統領選挙討論会では、
マクリ氏の弁論が、他の候補者を圧倒して、
マクリ氏の人気が少し戻ったとも言われており、
最後まで結果は分かりません。
先週、友達に誘われて、あるミロンガに行きました。
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4つのオルケスタが演奏し、4人のDJが音楽を流し、
9組のダンサーがデモを行う、大きなイベントでしたが、
入場料はタダ!
「なんでだろう、、、」と不思議に思っていましたが、
ミロンガの名前をよく見ると、
「Contra el Neoliberalismo」
と書いてありました。
つまり、「反・新自由主義」を支持するミロンガだったのです。
この場合、「新自由主義」とは「現マクリ政権」のことを指しています。
![](http://kaz4649.com/wp/wp-content/uploads/2019/10/milonga-peronisimo-200x300.jpg)
主催者や参加者の中には、
「アルベルト」氏を支持するTシャツを来ている人がたくさんいました。
![](http://kaz4649.com/wp/wp-content/uploads/2019/10/pero1-295x300.jpg)
タンゴと政治がこんな形で関わっていることを初めて知りました。
ここで、
「なんでタンゴの人たちは、現マクリ政権を支持しないのか」
という疑問が生まれます。
ここで、「タンゴと政治」について、歴史を話します。
1946年に大統領に当選した、ペロン氏は、
タンゴに理解があり、タンゴを擁護していましたが、
1955年に失脚すると、後ろ盾がなくなり、タンゴの低迷期が始まります。
1980年代には、海外で再び注目を浴びて、復興期が始まり、
2003年からペロンの流れを継ぐ「ペロン党(正義党)」の
ネストル氏、2007年からクリスティーナ氏が大統領になり、
タンゴが軽視されることはありませんでしたが、
2015年に当時野党だったマクリ氏が大統領に就任すると、
多くのミロンガが閉鎖されたり、
政府からのタンゴ関係の支援が削減されることが、起きました。
![](http://kaz4649.com/wp/wp-content/uploads/2019/10/pero2-300x148.jpeg)
以上の背景から、
タンゴ界には、タンゴ擁護の立場を取る「ペロン党」を支持する人が多いのです。
彼らのことを「ペロニスタ(peronista)」とも呼びます。
タンゴのことだけを考えるなら、
確かにペロン党のアルベルト氏を支持できるかもしれませんが、
タンゴを含めた、アルゼンチンの将来を考えると、
マクリ氏を支持すべきだと思います。
しかし、多くの国民は、将来の成長より、目の前の利益しか考えられないので、
今回、アルベルト氏が当選すれば、
再びアルゼンチンは、低迷の一途を辿るでしょう。
しかも、選挙直前に、エクアドルやチリで、
新自由主義路線の現政権に対する、デモが激化しているので、
マクリ氏には向かい風となり、より苦しい選挙戦になるでしょう。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019100900214&g=int
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019102400022&g=int
以上です。
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