【アルゼンチンタンゴ】タンゴの本質、abrazo(アブラッソ)に関する自分なりの考察 (1)ー背中で見せる! Vol.287

アルゼンチンに来て、約2ヶ月。

月日はあっという間に流れています。

 

今回は、「アブラッソ(日本語では「抱擁、ハグ」の意)」に関する

自分なりの考えをまとめてみました。

タンゴは、「アブラッソ(abrazo)に始まって、アブラッソで終わる」

と言っても過言ではないぐらい、重要です。

 

まず、最初に述べる必要があることは、

「タンゴはどれが正しくて、どれが間違いというものはない」

ということです。

 

なぜなら、踊り手は、

「タンゴというものを自分なりに解釈して、それを踊りという形で表現する」

必要があるからです。

 

 

以下、重要なポイントを挙げていきます。

1、変な意識はせず、日常のアブラッソがタンゴのアブラッソでもある

つまり、友達や恋人とハグした時の感覚が、そもそものアブラッソの始まりなので、

そのイメージを持つ必要があるという意味です。

自然なアブラッソ(ハグ)は、意外にも、無駄なことをほとんどしていません。

変に、手や胸の位置を気にするよりは、ハグから入ると、

意外とうまくアブラッソができるかもしれません。

 

2、男性の左胸と女性の右胸をちゃんとコンタクトするイメージを持つ

大きな身長差がない限り、アブラッソすると、ほとんど場合、

胸の部分がコンタクトの位置となります。

男性が右手で女性の背中を抱えるので、

男性の右胸と女性の左胸はコンタクトしやすいのですが、

どうしても逆側が離れがちです。

「1」で見た通り、片一方しかコンタクトされていないハグなんで、

見たことありません。

 

タンゴでは、「ハ」の字のようにアブラッソする人たちもいますが、

自分に言わせれば、そんな風にハグする人がいないので、

「アブラッソ」とは呼べません。

 

先生によっては、男性の右胸と女性の左胸のコンタクトより先に、

男性の左胸と女性の右胸をコンタクトさせるように指導する人もいるくらいです。

 

 

3、男性の左手は、女性のための鏡。そして、女性から握る!

これはある先生の例えですが、

男性は「縦長の鏡」を持っていると想定して、

その鏡を女性に見せるように、左手を置くと、綺麗な形になるようです。

女性は鏡が高すぎても、低すぎても、疲れてしまうので、

女性の目の高さより若干低めが、一番見るのに疲れにくいと言えるでしょう。

 

つまり、(1)男性の左手の肘が下がる、

(2)男性の手首の角度が定まり、女性の右手が自身で力を受け止めやすい位置になる、

ことが重要です。

(2)に関して、マニアックな補足をすると、

男性の左手と女性の右手で組んでいる時、

男性は「肩関節の内旋」、女性は「肩関節の外旋」という、筋肉の動かし方を使います。

この時、外旋は内旋に比べて、普段使う頻度が少なく、

筋力が発達していない場合のが多いので、

外旋を使う女性の方が、どうしても力をコントロールしにくくなります。

そのため、男性は、女性が力を入れやすい位置に手を置くことを、

注意して、意識しなければなりません。

 

そして、男性から差し出された左手に、女性が右手を置いて、

「女性から手を握る」必要があります。

男性は女性が手を握るまで待たなければなりません。

なせかというと、男性から握ると、女性がうまく握りかえず、

不快な握り方になるからです。

お互いの握る場所をよーく見ると(これは自分の右手と左手で握ってもわかります)、

お互いの握っている場所が異なります。(これは新しい発見でした)

実際にやってみてください。

 

男性から絶対に握ってはいけませんよ。

 

 

4、胸を張らない

胸のコンタクトが大事なので、胸ばかり意識してしまい、

胸を張っている人がいます。

実際にやってみるとわかりますが、胸を張った分だけ、肘が後ろに動きます。

肘は必ず自分の体より前に出しておく必要があります。

なぜならば、肘が体より後ろにあると、力を伝えにくいし、

見栄えもよくありません。

 

胸はコンタクト部分ですが、リラックスしておく必要があります。

イメージは、深く息を吸って、息を全て吐いた後の胸の状態です。

 

 

5、顔を近づけ過ぎない、離れ過ぎない

アブラッソを行うと、お互いの顔が近くなるので、

顔の一部もコンタクトするものだと思い、無理につけようとする人がいます。

これは自分の重心が前に行きがちになってしまうのと、

顔による圧力を相手にかけ、不快にさせてしまう可能性があります。

 

逆に、変に意識してしまい、顔をそらし気味にすると、

背中を反る格好になり、重心が後ろに行きがちになります。

(実際にやってみると、わかります)

また、片方が重心が後ろになると、それに合わせて

もう片方が重心を調節せねばならず、二人のバランスが崩れてしまいます。

 

 

6、男性の右腕は、右肩から右手の指先まで全て、女性の体にコンタクトする

男性は右肩から右手の指先まで隙間が空くことなく、

女性を包み込むように、コンタクトします。

イメージは女性のブラジャーの位置です。

そして、指の間は開かない方がよいです。

右腕全体で、女性をアブラッソすることで、女性に安心感を与えます。

 

7、意識は内側で、自分の重さを足で感じ、重心を少し前にしながらも、

背中の存在を意識する

床と接触があるのは、足のみであり、

まずはその足で自分の重さを感じることが大切です。

また、感覚的な話になりますが、

自分のエネルギーをお腹もしくは骨盤の中に貯めることを意識します。

そして、上半身は上へ引っ張られ、下半身は重しのように下に食い込むような

意識をします。

おそらく、お腹にエネルギーを貯めておかないと、

上半身と下半身をそれぞれ上下に引っ張ることができないはずです。

 

そして、アブラッソするために、相手とコンタクトするので、

重心は普通に立っている時より、前よりになりますが、

「背中の存在」も意識しなければなりません。

この「背中の存在」は、決して重心を後ろにずらすことではないのですが、

この「背中の存在」があって、カミナータ(歩き)や他の動きにつながります。

言葉で表現するのは難しいのですが、この意識も重要になってきます。

「背中で見せる」という表現もできます。

 

 

今のところ、こんな考えを持ちながら、アブラッソをしていますが、

今後の経験で変わってくるかもしれません。

 

 

踊るために必ず最初に行うのが、「アブラッソ」です。

これがうまくいかないと、そのあともうまく行きません。。。

 

どんな時にでも、アブラッソを大切にしているので、

これを適当に考えてる人と踊ると、正直げんなりします(笑)。

 

 

以上です。

 

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