「タンゴダンスアジア選手権2021」を振り返る(3)選手権のホームページから分かる、根本的な課題 Vol.442

昨年2021年にアジア選手権に関する意見を述べて、色々な反響を頂きました。

その文章の中で一部、相応しくない表現があり、ご指摘を受けて、修正させていただきました。かなり遅くなりましたが、この場を借りて、謝らせていただきます。誠に申し訳ございませんでした。

さて、私は2021年7月から大会運営側に本件に関して、質問を投げさせていただきましたが、7月7日時点の「必ず検討する」という返信を最後に、何回か問い合わせしましたが、2022年3月の現時点に至るまで、全く返信が来ておらず、かつそれに関して、公式ホームページでも何も発表はありません。

彼らのこの態度に、非常に危機感を覚えています。憤りも覚えています。皆さんはこの一連の騒動を忘れてしまったかも知れませんが、私は今でも忘れることはできません。

なので、本当に公開するか迷っていましたが、2021年8月に書いていたものを、今更ですが、公開することにしました。

大会の裏側で何が行われていたかは知る余地もなく、類推している部分もあるので、ここに書いたものが全て正しいとは限りませんが、全く根拠なしに書くほど、愚かではないこと、念頭に置いた上でご笑覧いただければ、幸いです。

今回の騒動を一言で表すなら、

「ルールとして自らが書いていることは、必ず遂行しなければ、大会自体、強いては日本のタンゴの信頼を落としかねない。組織としても影響力があるので、信用を回復するためにも、採点の公表は必須である。」

ということです。

かつ、問題提起だけでは、根本的な解決にならないので、最後に自分なりの提案も入れております。

この文章の中で、この騒動に関わる方で、一部不快な思いをされる方がいるかも知れませんが、私はその方たちも被害者だと思っていますので、より良い大会をあり方を一緒に模索できたらと思っています。

今後も、より良い大会になってほしいとの願いも込めて、書かせて頂きました。


以下、文章ーーーーーーーーーーーーーーー

色んな反響を頂き、感謝しております。

特に、自身の意見をぶつけてきてくれた方、嬉しくて仕方ありません!意見は多少違えど、タンゴ愛を感じました。

無関心な人が多い中で、そういう意見を伝えてくれる方がいて、タンゴ界もまだまだ捨てたものではないなと思いました。

 

まず、以前のブログ(Vol.438)で一部、相応しくない表現があり、ご指摘を受けて、修正させていただきました。この場を借りて、謝らせていただきます。誠に申し訳ございませんでした。

振り返りは2回分で終わるはずでしたが、今回も書くことになった理由は、色んな意見や指摘をもらい、改めてホームページを見て、どうしてもお伝えしたほうがいいことが出てきたためです。

「タンゴダンスアジア選手権2021」を振り返る(1) 主催側の問題ー予選の審査結果を公表しない、とんでもない理由とは? Vol.437

2021.08.09

「タンゴダンスアジア選手権2021」を振り返る(2) 参加者の問題ー超一流は大金もらっても出るな!彼らを誘うな!Vol.438

2021.08.15

ポイントは2点あります。簡潔にいきたいと思います。

  1. ホームページの記載通り、採点の公表は必須
  2. 審査員との関係性の定義、その申告の確認、審査員選出方法が課題

 

ところで、、、

みなさん、選手権のホームページはちゃんと読んでいますか?

http://campeonatoasiatico.com/wp_ca/

特に、「審査団、審査方法について」「出場者と出場資格」

私は出場したにも関わらず、しっかりと読んでいませんでした。なので、問題の本質に到達するまでに、こんなに遠回りしてしまいました。

もう一度読んだ上で、以下をご覧いただければと思います。

 

1、ホームページの記載通り、採点の公表は必須

予選の採点を公表しないのはおかしい!主張しておりましたが、改めてホームページを見て、びっくりしました。

8) すべての審査員は、アジア選手権実行委員会に定められたすべての規則に沿って採点を行い、各ペアの採点は公表されます。

「審査団、審査方法について」より

なんと「採点は公表する」と書いてあります!!!

なので、公表してください!自分で書いたことをやらないのは、主催者自体の信用問題に繋がり兼ねません。

これ以上でもこれ以下でもありません。

なお、2019年のホームページを見ても、「採点は公表する」と書いてあるのに、全ては公表されていませんでした。。。

(誰も指摘していなかったのか、指摘しても修正されなかったのか、分かりかねます)

 

2、審査員との関係性の定義、その申告の確認、審査員選出方法が課題

これはそれぞれ、説明していきます。

まず、「A. 審査員との関係性の定義」

9) すべての参加希望者は審査員が発表された際、アジア選手権開催日から過去180日間にさかのぼって審査員と個人的、またビジネスの関係があった場合には、具体的な内容を申告しなくてはなりません。(例:5月に審査員の1人が行ったワークショップに参加した等)」

「出場者と出場資格」より

「個人的な関係」とは何を指しているのでしょうか?タンゴコミュニティーは非常に狭いので、個人的な関係だらけです。普段、別のスタジオで教えている先生たちが、一緒にご飯食べること、皆の知らないところでめちゃくちゃ会ってて仲が良いなんて、山ほどあります。

「ビジネスの関係」はおそらく、審査員のグループレッスンやプライベートレッスンを受講したり、審査員のスタジオを借りて、イベントを行ったりすることを意味していると思いますが、「こうした場合は必ず申告する」などの具体的な例を挙げる形の方が望ましいと思いました。

これらの定義が非常に重要です。でないと、いくらでも理由をつけて、関係性を公表しない人が出てきてしまいます。性悪説を唱えても仕方ありませんが、定義は明確にした方が、主催者側としても、出場者側としても、無駄なやりとりが省けると思います。これがしっかりしていたら、決勝のドタバタは防げていたかもしれません。。。

次に「B. 審査員との関係性の申告の確認」

選手権では、出場者も、審査員も、全員が関係性を申告します。もちろん、個人的な関係性や細かいビジネスの関係などは、第三者である主催者側が確認しきれません。しかし、最低限の確認は必要だと思います。これが主催者側がすべきことでした。

決勝のドタバタは、ある審査員と、ある出場者が、明らかにビジネス上の関係があったにも関わらず、最初に公表した表にて、点数に加味されていました。その後、すぐに撤回され、修正されたものが公表されたので、「公正に採点されているのか?」という疑問が会場で起こり、すごく嫌な雰囲気に包まれました。

考えられるのは2つのケース。「(1)ある審査員と、ある出場者が、明らかにビジネス上の関係があったにも関わらず、双方(もしくはどちらか一方)が事前に申告していなかった」のか、「(2)審査の採点を検証する段階で人為的ミスが発生した」のか、主催者側しか知り得ませんが、もし前者の場合、予選は間違った基準で審査が行われていた可能性があります。しかし、採点が公開されていないので、検証すらできません。(準決勝は正しく審査されていました。)勿論、予選の結果が公表されれば、検証可能です。二つのケースに分けて、考えてみました。

「(1)ある審査員と、ある出場者が、明らかにビジネス上の関係があったにも関わらず、双方(もしくはどちらか一方)が事前に申告していなかった」場合、

ホームページには以下の記載があります。

「8) エントリー時に入力したデータは、誓約された申告と見なされます。これらのデータに矛盾のあった場合、アジア選手権実行委員会は、減点、失格、あるいはその他の処罰を決定します。

「出場者と出場資格」より

つまり、申告と矛盾があったので、処罰の対象となっているはずですが、何も行われませんでした。これは処罰に当てはまらない、小さな矛盾だったのでしょうか。この事態こそ、避けるべきものだったのではないでしょうか。どのようなケースで処罰とされ、どのようなケースで処罰とならないか、明確にしてほしいです。

ここで問題なのは2点

申告に、明らかな矛盾があります。まずは彼らに問題があります。仮に出場者や審査員が故意に申告してないとしても、虚偽申告をしていたことには変わりありません。こうした事態を招かないために、このようなルールと、誓約があったはずです。

もう一つの問題は、この確認を怠った主催者側です。申告は自主性を尊重する傾向があり、細かく確認する術はありませんが、最低限確認する部分はあると思います。まさに、今回のような事態を招かないために、最低限の確認をする必要がありました。

また、処罰に関しても、「採点の公表」と同様、記載されたことを行っていないのは、主催者側の信用問題につながりかねません。少なくとも、「今回はこういう事態が発生したが、処罰の対象ではなかった」という旨を報告すべきです。なぜかというと、これもきちんとホームページに記載があるからです。今回は結局誰も何も指摘しなかったので、何事もなかったかのように済ませていますが、次回は決して起きないように徹底して欲しいです。

11)処罰または変更に関するアジア選手権実行委員会の決定は、適切に発表されます。そのために、公式掲示板が適切な場所に設置され、出場者と審査団は世界選手権アジア選手権の各段階の前に、そこで情報を得なければなりません。この掲示板は、適当と認められたあらゆる改変に効力をもつ公式の告知となります。申込書の記入により、出場者全員がこの方式を承認していると見なされます。公式掲示板はアジア選手権公式告知板URL http://campeonatoasiatico.com/wp_ca/に設置します。

「出場者と出場資格」より

私も、180日の間に、ある審査員のグループレッスンを一回取っており、それを申告しましたが、その人の評価は審査の対象外にならず、審査に組み込まれていました。主催者側がビジネスの関係と見做さなかったのでしょう。ですが、どこまでが個人的、またはビジネスの関係なのか。誰がどう判断したのか。きちんと最低限の確認はされたのか。その辺が今後の課題でしょう。とはいえ、今回に関しては、審査員も出場者も被害者であるとも思っています。

「(2)審査の採点を検証する段階で人為的ミスが発生した」場合、

こちらの場合は完全に防げるものではないので、細心の注意を払う以外に方法がありません。そのために、チェッカーなどが置かれているので、二重三重に確認作業をして頂くしかないでしょう。

  

結局、(1)か、(2)か、別の原因だったのか、主催者側のみが知っていて、誰も検証する余地はありませんが、これをこのままにしてしまうと、最終的に主催者の信用や大会の価値が落ちるだけです。しかし、結果すら公表されていないので、何にもできません。

最後は、「C. 審査員選出方法」

前述の「A. 審査員との関係性の定義、「B. 審査員との関係性の申告の確認」の問題を解決するためにも、「C. 審査員選出方法」は一番重要です。なぜなら、AとBは主催者がどう防ごうとしても、起こる可能性を秘めているためです。

今回は財政的にも、物理的にも、アルゼンチンから審査員を呼べなかったという背景があり、日本と関係の濃い、というか日本在住のアルゼンチン人の審査員が結果的に多くなってしまったのは、仕方ないのですが、本来はそうした癒着が審査に影響しないために、アルゼンチンから審査員を呼んで、審査を行っています。

なので、アルゼンチン人の審査員だけではなく、日本人の審査員も含めた、全員の審査員の精査及び選出を再度お願いしたいです。別にアルゼンチン人の審査員だけが問題であるわけではありません。システムをもっと改善できるはずです。

そこで私なりに一つ提案してみたいと思います。

幸いなことに、日本には日本人、アルゼンチン人含め、素晴らしいタンゴダンサーがたくさんいます。なので、二年連続で同じ人が審査してもらう必要はないはずです。例えば、少なくとも一年置いて審査してもらうなど、審査員の選出の仕方をもう少し考えてもいいと思います。審査員候補リストに関しては、ブエノスアイレス主体ではなく、ある程度、日本側で提案できるはずなので、この部分をしっかりと揉んでもらえたらと思います。

  

なお、主催者当てに、メールで最初に質問をしたのが、7月7日。

すぐに返信をもらい、話し合うので待って欲しいと言われ、再度同じ質問したのが、8月10日。

その後、本日8月28日に至るまで、返信がありません。

この動きだけは、今後の選手権のためにも、日本のタンゴの将来のためにも、ブログで追い続けたいと思います。

以上。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

  

  

流石に、自分たちで書いていることを、守らないのは小学生以下です。

ここに書けないこともたくさんありますが、今の体制は非常にまずいと思います。

今まで、こういう形で意見を発信していく人がいなかったので、ズルズルと昔の状態を引きずっていたのでしょう。

「タンゴは曖昧で、自由なダンスだから、その辺も曖昧でいいでしょ」と思う方がいるかも知れませんが、「大会」や「評価」と謳っている以上は、最低限の情報公開や明確なルール作りをしないと、大会自体の信用が落ちてしまいます。ましてや、世界選手権の地方大会という位置付けです。もちろん、ルールは作るだけでなく、実行されないといけませんね。

でないと、大会の魅力が信用と共に落ちて、誰も参加しなくなり、選手権が盛り上がらず、つまらなくなってしまいます、、、そしたらみんな、中国や韓国の大会に行っちゃいますね。

私もしたくて、こんなことをわざわざ発言している訳ではありません。こういう行動をすると、私に対して敵対心を覚える人も少なからずいます。(味方も出てきますが)

 

それでも、こういう活動を続けているのは、半年以上もこの問題を軽視して、無視し続けて、すでに次の大会の準備をしている主催者側を知り、危機感を覚えたからです。口だけは「必ず検討する」と言って、結局何もしないのは、役人だけにしてほしいです。

タンゴの世界も、日々進化しています。変わるべきではない部分は守っていって、変わるべき部分は変えていくべきではないでしょうか。

 

もっともっと日本のタンゴが盛り上がるためにも、一意見を述べさせていただきました。ここまで言って、何も変わらなければ、お先真っ暗ですね。見ている人はちゃんと見ています。

 

しかし、最後は結局自分自身。いつまでもネガティブに考えても仕方ないので、頑張る世代が出てきて、タンゴ界が盛り上がっていくことを期待します!

この前、チケ主催の大会に出場しましたが、新しい人たちがたくさん活躍していました。すごく良いことだと思います。

今までの日本のタンゴ界を引っ張ってきた先生たちは、あと10年もしたら、最前線でガシガシ踊っている可能性は低いので、穴がぽっかり開かないように、いつまでも先輩方に頼ることなく、そして、他のアジア勢の勢いにも負けないように、中堅のダンサーがもっと増えて、頑張って欲しいものです。

私も楽しみながら、頑張っていきたいと思います!

 

以上です。

OpenSeaにて、タンゴ動画をNFT化してみました。

YouTubeでも、タンゴやアルゼンチンの情報を配信しています。