アルゼンチンでは、3月20日より、外出禁止令が発動し、
食料や医薬品などの生活必需品の購入を除き、外出が禁止されています。
警察が街を見回って、理由のない外出する人間に対し、拘束したり、
罰金を課すなど、厳しい措置を行っているため、
多くの人は、1日のほとんどを自宅で過ごしています。
それによって、新型コロナウィルスに感染する可能性が減少するものの、
この外出禁止令によって、アルゼンチンでは、
女性に対するDV(ドメスティク・バイオレンス、家庭内暴力)の悪化が
問題になっています。
以下は最近のニュースですが、
27日間の外出禁止令の間に、21人の女性がDVによって殺された、ようです。
これは殺害された数で、数字には出てきませんがが、
今も、たくさんの女性が虐待されているでしょう。
おそらく、外出禁止となり、飲酒量が増え、精神的に不安定となり、
家庭内の暴力も増えているのでしょう。
ちなみに、アルゼンチンでは、「ジェンダーに基づく暴力」という意味で、
「femicida」という言葉がよく使われます。すでに女性が前提です。
アルゼンチン政府は、DVの悪化に対して、以下のような対策を出しました。
・10州内の50の都市が,アルコールは家庭内暴力や性暴力を増加させ,また全国隔離破りを促進するとして、ワイン,ビール,スピリッツ等のアルコール販売を禁止(2020年4月13日)
・政府は,2州を除くすべての州(ブエノスアイレス自治市を含む)において,以下の活動・サービスを4月20日から強制隔離措置の例外とすることを決定(2020年4月18日)
(1)サービス料金や税金の徴収を行う施設
(2)各州・各市の税務事務所
(3)国・各州の登記活動
(4)小売業者によるオンライン,電話等の非対面形式での最終製品の販売
(5)医科・歯科の診察(予約が必要)
(6)医療分析施設(予約が必要)
(7)眼科(予約が必要)
(8)保険会社の損害調査・保険金支払い活動(オンライン以外不可)
(9)ジェンダーに基づく暴力の被害者を受け付ける施設
(10)輸出向け製造活動(生産開発省の事前承認が必要)
(11)産業における特定の工程(生産開発省の事前承認が必要)
依然として、ほとんどの産業を止めていますが、
「ジェンダーに基づく暴力の被害者を受け付ける施設」
を今回、強制隔離措置の例外としたのは、それだけ問題が深刻なのでしょう。
女性にとっては、ありがたいニュースだと思います。
そして、このDV問題はアルゼンチンだけではなく、中南米全土で、
増加しており、深刻な問題となっているようです。
もちろん、外出禁止となり、パートナーもしくは夫婦でいる時間が長くなり、
「コロナ結婚」や「コロナベイビー」が出てくる一方、
今回のような「コロナDV」や「コロナ離婚」なども出てくるでしょう。
「夫婦のあり方」や「パートナーとの関係」を改めて、考えさせられる機会と
なりますが、私のように「コロナぼっち」も、一人寂しく大変です(笑)。
以上です。
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