実は現在、日本にいます。というか、グンマーです。
コロナ渦によって、急遽一時帰国することになった経緯を話します。今思えば、あっという間でした。
というのも、それまで帰国することなんて、全く考えていませんでした。
毎週末、家族と話すのですが、ちょうど話していた時に、アルゼンチンを脱出する臨時便のメールが来ました。そのことを話すと、「帰ってきてもいいんじゃないの?」と言われ、帰国について考え始めたのが土曜日の夜。
その後、現地の日本人と話して、しばらく考え、帰国を決意したのが、日曜日の夜。
しかし、その時点で、すでに臨時便が満席になっており、一度フリダシに。
落胆していたところ、月曜午後に大使館から、別の臨時便(マイアミ)の連絡。
月曜の夜までに、臨時便の予約(マイアミまで)、マイアミから東京までの飛行機の確認と予約、そして、ESTAの申請を完了。
火曜には、家の契約、インターネットの契約、水の契約、携帯電話の契約、大使館への連絡、引っ越しの相談、引っ越しの移動手配、最終日の空港までの移動手配、全ての移動の許可証の発行依頼、など、全ての手続きを行いながら、パッキングを開始。
木曜に友人宅に引っ越しして、一部の荷物を保管してもらい、その間に、今までお世話になった人たちに、一通り報告。
金曜にエセイサ空港へ。アルゼンチンを脱出。
という超多忙スケジュールでした。思い始めてから出発するまで1週間です(笑)
幸いなことに、最初に計画していた臨時便より、半分以上安くて(約1075ドル!!!)到着が早い便になったので、早く決断してよかったと、改めて思います。
では、「なんで帰国することにしたのか?」
一番の理由は、
「早い時期から、タンゴを気持ちよく踊れる環境が日本にあったから」
で、別の言い方をすると、
「アルゼンチンの新型コロナウィルスの収束時期が読めなく、かつ収束しても経済悪化が避けられず、それによる治安悪化で、ロックダウン解除後もタンゴを気持ちよくできない環境になっている可能性が高いから」
です。
アルゼンチンの状況(南米全体に言えます)を少し説明してみます。
アルゼンチンは、新型コロナウィルスの感染者が発生してから、すぐに政府が対策を始めました。全国強制隔離、いわゆるロックダウンが始まったのは、3月20日です。ブエノスアイレスのタンゴは、全国強制隔離宣言(3月20日)より10日間ほど早く対策を取り、3月11日から、市内のあらゆるミロンガ、クラス、イベントなどを自粛し始めました。
5月31日現在でも、1日の新規感染者数は、最高値を記録し続けており、死亡率も高く、いつピークを迎えるか、まだまだ先が見えません。ロックダウンという非常に厳しい措置を2ヶ月以上取っても、収まっていないので、非常に厄介です。
この間に、医療体制を整えられたので、一定の成果は上がったと言えますが、現在2ヶ月以上止まっている経済が危機的な状況に瀕しています。後進国は、先進国ほど経済を止められる余裕がないので、慎重ながらも少しずつ経済を再開させていく必要があります。
最近デフォルトとなったアルゼンチンは、デフォルトの可能性が濃厚となっていた3月ごろより、ペソの価値が下落していて、インフレがさらに進みました。債務を払える資金もない政府が、コロナで苦しむ国民に金銭的な補償を十分にできるはずはないので、国民は二重苦、三重苦をしばらくの間、強いられることになります。
しかし、この状態が続くと、経済が完全に崩壊することになり、次に起こるのは、治安の悪化です。国民が暴徒化したり、強盗・スリが頻発したりするでしょう。現に2001年末にも、同じような状況下で「Corralito(コラリート)」という事件が起きています。
そんな中で、タンゴが気持ちよくできるか、かなり疑問でした。しかも、経済開放されていくのは、地方が最初で、首都のブエノスアイレスは最後の最後、生命に関わることが最初に優先されて、タンゴなどのエンターテイメントは最後の最後になるので、ブエノスアイレスでのタンゴの本格的な再開は、気の遠くなるような長い道のりになると、結論づけました。
現在アルゼンチンは商業用飛行機が運航されていないため、欧米の大使館が手配した臨時便を使う以外に脱出する方法がありません。知っている限り、イースタン、ラタム、ルフトハンザ、KLM、カタール、アエロメヒコ、アリタリアが今で就航していますが、今後も同様に就航するかは、不明です。
私は、ラタム航空の臨時便(マイアミ行き)を使い、
Buenos Aires – Santiago
Santiago – Miami
その後、ANAとその共同運航で
Miami – Houston
Houston – Los Angeles
Los Angeles – Tokyo
という航路で戻りました。合計約70時間の移動です。
ラタムは臨時便でしたが、予約はネットで可能でしたし、ANAは公式ホームページで、予約できました。
「Buenos Aires – Santiago」はほぼ満席でしたが、それ以外は搭乗者の間に一座席の距離が取られていました。(もしくはそれぐらいしか人が乗っていない)
飛行機内の空気は3分に一回、全て入れ替わるし、空港内は人がほとんどおらず、色んなところに消毒液が置かれていたので、外国から戻ってくる過程で感染する可能性は非常に低いと感じました。
私はアメリカ経由で、かつトランジットではなく、一度アメリカに入国する必要があったので、アルゼンチンは指定感染地域に指定されていませんでしたが、PCR検査を受けて、14日間の自宅待機要請となりました。
アメリカに入国しても、PCR検査などの感染確認は全くありませんでした。
成田空港からの移動は、公共交通機関が使えないため、家族に車で迎えにきてもらいました。
日本に戻り、3日後にメールでPCR検査の結果が来て、「陰性」であることが判明し、また帰国後の翌日からはLINEの「厚生労働省 帰国者フォローアップ窓口」を通して、毎日の健康状態を14日間報告しました。
スムーズに帰国できると思いきや、LAで、成田行きの最後のフライトに乗り損ねて、LAで一泊しました(笑)。みなさん、ターミナルがたくさんある空港では、出発ターミナルをちゃんと確認しましょう。
ということで、しばらくは日本かアジアで活動していきます。
めちゃくちゃ楽しみです。
以上です。
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