【アルゼンチン生活】アルゼンチン、中絶合法化への道(2)ー国民は真っ二つに分かれ、上院で否決。来年2019年へ持ち越し Vol.311

ちょっと前の話ですが、、、

アルゼンチンの下院で可決された「中絶合法化」のための法律が、

2018年8月8日に、上院にて、「賛成31票、反対38票」で、「否決」されました。

 

下院で可決された時のお話はこちらから。

【アルゼンチン生活】アルゼンチン、中絶合法化への道ーカトリック色が強い国での葛藤 Vol. 280

2018.06.30

 

(写真は、実際の議会の様子)

 

(こちらは、結果を図式化したもの)

 

当日は、中絶合法化賛成派と反対派が、

大統領府やプラザデマショ(Plaza de Mayo)を挟んで、対峙しながら、投票結果を待っていました。

 

投票結果を受けて、一部のデモ隊が治安部隊と衝突し、放火や投石などを行う事態も起こりました。

 

(写真は、投票結果を待つ賛成派と反対派)

 

今回のニュースで気になったことを3点、挙げてみました。

 

1、 記名制で、誰がどういう投票をしたかがわかる

(写真は、名前と投票内容が公開されている画面)

 

日本では「秘密投票(無記名投票)」で、投票の秘密が保証されていますが、

アルゼンチンでは、「公開投票」のようです。

これには、少しビックリしました(笑)。

 

日本の議員も、「○○に賛成です」と言いながら、

賛成の票を議会で、本当に入れているか、不明ですが、

公開投票なら、嘘はつけませんね(笑)。

 

 

2、議論の時間が長い

とにかく、審議の時間が長いです。

特に、このような世論を二分するようなテーマだと、

議員も話に熱が入ります。

結局、今回はこのテーマで「16時間」も議論がされました。

日本の国会での議論は、原稿が用意されて、議論自体が形骸化されているケースが少なくないので、

この点は、アルゼンチンをぜひ見習ってもらいたいです。

 

ちなみに前回の下院では「22時間」議論されています。

 

 

3、国民の若年層の関心も高い

中絶できずに苦しむのは、女性です。

今回の運動がここまで大きくなったのは、たくさんの若い女性が立ち上がったからです。

特に、中絶合法化賛成派の人たちは、積極的に「緑のネッカチーフ」をバッグやズボンに身につけて、

自分の意思を主張していました。

デモにも多くの若い女性が参加していました。

 

こういう運動は、必ず他のラテン諸国に影響を与えるでしょう。

 

(写真は、デモで集まる女性たち)

 

 

次回、議会で審議されるのは、「来年2019年」

早くても、中絶合法化は2019年となります。

 

 

ラテンアメリカ諸国で初めての、中絶合法の国となるのでしょうか。

 

 

<参考文献>

https://www.clarin.com/politica/senado-rechazo-legalizacion-aborto-podra-volver-tratar-ano_0_SkMmKEKHm.html

 

 

 

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