日本のタンゴの今後について考えてみるー短期的には縮小・スリム化だが Vol.422

今回は日本のタンゴの今後を考えてみます。

ペアダンス全般にも言えると思うので、参考にして頂ければ幸いです。

いきなり結論を述べます。

・短期的には縮小、いい意味でスリム化。
・長期的には無限の可能性。

以下、説明していきます。


<短期的な予測>

おそらく半年以内に、日本のタンゴのスタジオは半分になると勝手に思っています。

理由は3つ。

一つはスタジオ維持費や外来講師の給与など固定費がかかりすぎて、赤字経営に耐えられないところが出てくるから。

二つ目は、家庭や職場の理由でタンゴに復帰できず、生徒がコロナ以前の状態に戻らない状況が続くため。

そして、最後は経営側がこうしたピンチをチャンスに変えられず、具体的な行動に移さず(移せず)にいるから、です。

 

一つ良い例をあげるならば、オンラインレッスンにいち早く移行した先生たちは、一定数の生徒が集まり、うまくいっていたり、スタジオを持っていてもオンラインとオフラインをうまく使い分けて、経営を維持しているところもあります。

オンラインの良い点は、地方の需要や外出自粛の需要を汲み取れるところです。特に、東京にわざわざ行って受けていたレッスンを、地方で廉価でできる需要は少なからずあると思います。

 

では、先ほど述べたように、仮にスタジオが半分になったとすると、どうなるでしょうか?私なりに3点、あげてみました。

1、レッスン代が安くなる

スタジオを手放した人たちは、別の仕事に就くかもしれませんが、おそらく他のスタジオを借りて、レッスンを始めるでしょう。すると、それまで莫大にかかっていた固定費をレッスンに織り込む必要がなくなるため、レッスン代が下がる可能性が高くなります。場所もスタジオが多く立地している、便利な場所になるでしょう。

  

2、スタジオ以外でのイベントが増える

あるスタジオ(ある先生の元で)で習っていると、他のスタジオが開催するイベントに行きづらくなる、というのはタンゴに限らず、色んなペアダンスでよくあります。

やはりスタジオ側(先生側)も、自分のスタジオに来て欲しいという純粋な願いはあるので、よくわかります。

「他のところに行ってもいいよ」という先生もいれば、他のスタジオを悪口を言って、「他のところには行くな」という先生もいます。(そもそも、「他のところに行ってもいいよ」という言葉自体が異様ですが)

また、スタジオでのイベントは、スタジオの常連のためのもので、「外部」の人間が来ると「アウェー感」を出されると、よく聞きます。ノリも内輪な感じになりがちです。

もちろん、あるスタジオで良い人間関係を作れば、とても居心地が良くなり、リピートも多くなるでしょう。

しかし、先生との関係や、他の生徒との関係がうまくいかずに、スタジオを離れていく人もたくさんいます。

そこで、他のスタジオに行けばいいのですが、タンゴから離れてしまうのは、その人の決断ではあるものの、タンゴ盛り上げ係として寂しい限りです。


しかし、スタジオを持たない先生が増えると、スタジオ以外でのイベントが増えてくるでしょう。また、その需要を見込んで、イベントを開催する、先生以外のオーガナイザーも増えていくでしょう。

そうすれば、より多くの人が、色んなしがらみを考えずに、好きなイベントに行けるようになります。タンゴとしては、そちらの方向の方が好循環でしょう。

  

3、年配の方の割合が減り、若者の割合が増える

年配の方や基礎疾患を持つ人は、新型コロナウイルスに感染した場合、重症化しやすいというのは、事実です。そのため、濃厚接触に当たるペアダンスは、年配の方が復帰することを難しくさせています。

よほど、タンゴが好きでないと、再びタンゴに復帰したいと思う年配者は少なく、実際に私の周りでも、「タンゴ好きだったけど、敢えて今やらなくてもいい」「タンゴ好きだったけど、少し離れたら意外となくても大丈夫」という意見を聞きます。

タンゴに興味がある若者が、タンゴのレッスンに行ったら、年配の方しかおらず、自分の居場所を見つけられなかった、ということをよく聞いていたので、若者の割合が増えるならは、若者の絶対数も増えてくるでしょう。そのための受け皿も必要となってくるはずです。

  

つまり、規模的にはコロナで縮小してしまいましたが、ある意味ここが底辺で、今後スタジオが潰れていくと、先述した3点のような、いい意味でのスリム化が起きてくるでしょう。

さらに一言追加するなら、タンゴの敷居が低くなってくるでしょう。これは、タンゴを始めたい若者にとっても、朗報です。

 

<長期的な予測>

長期的には、ダンス、特にペアダンスは無限の可能性があると信じています。

この辺は、ただいま頭の中で整理中なので、今後きちんと文字にしたいと思いますが(すみません!)、AIやVRなどの新しい科学技術がどんなに発達しても、タンゴは、それらに代替されない、コミュニケーションツールの一つであり、人間の根源的なものでもあるので、後世まで残っていく、もしくは進化していくものだと思っています。

そういう意味からも、タンゴそのものはコロナだろうがなんだろうがが、いくら来たところで、なくならないでしょう。

 

  

次回は、今回話した、短期的な予測を考慮して、個人的な計画を紹介していきます。

  

  

以上です。

 

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