昨年(2017年)末より日本でも、大きな社会現象となった「#MeToo」ですが、
最近ある女優の告発がきっかけで、アルゼンチンで急速に盛り上がりをみせています。
まずはこちらの動画をご覧ください。
これは、「Thelma Fardín」という女優が、16歳だった時に、
当時（2009年）同じ番組で共演していた俳優「Juan Darthés」(当時45歳)に性的虐待を受けたことを
告白した動画です。
この告白の中で使われているキャッチフレーズが、
「#MiraComoNosPonemos」
です。
意訳すると、「私たちの現状を見て」
でしょうか。（あまり上手く訳せていません、、、）
（写真は、告白したThelma Fardín）
この告白がきっかけとなり、ソーシャルネットワーク上で、
新たな告白をする人が現れたり、こうした現状を問題視する人が声をあげたりしたため、
「#MiraComoNosPonemos」と共に、今回の問題が一気に炎上しました。
（写真は、Juan Darthés）
そして最終的には、
なんと政府が「Ley Micaela」という新しい法律を可決するまでに至りました。
「Micaela（ミカエラ）」とは、2016年に性的虐待により非業の死を遂げた
女性の名前（Micaela García）で、彼女の名前を取って、法律が作られました。
（ちなみに、「Ley」は「法」という意味です）
内容を簡単に述べると、
「公務員は全員、『ジェンダーと(女)性暴力』に関するトレーニングを受ける」
というものです。
これがどこまで効果があるか、わかりませんが、
とりあえず政府が素早く動いたのには、びっくりしました。
来年大統領選があるからでしょうか(笑)。
中南米は、一見リベラルな国々だと思われがちですが、
キリスト教の影響が強いため、保守的な人たちが大半を占めています。
その中で、アルゼンチンは、ヨーロッパ移民が大半を占めているせいか、
リベラルな考えを持った人たちが比較的多い国です。
アルゼンチンにいて、個人的に感じるのは、
「女性が強い」
ことです。
少し前に盛り上がった妊娠中絶合法化の運動が、あそこまで大きくなったのも、
たくさんの女性が声をあげ、実際に行動したからでしょう。
中南米という保守的な土地で、リベラルな考えを女性が主張することは、
決して簡単なことではありません。
でも、その葛藤が、彼女らを動かせているのでしょう。
そして、今回の告発も、女性が不当に扱われているので、
彼女らは黙っているどころが、具体的な行動を起こしています。
しかし、今回の事件は、事件の有無を立証することが非常に難しいので、
本当に事件が発生したか否かは、当事者しか知りません。
ただし、最初の動画を見たら、誰もが感情的になって、
あたかも事件が当然発生していたかのように、思ってしまうでしょう。
Thelma Fardín
が演技のとてもうまい女優ではないことを、祈っています。。。
少なくとも動画の中では。。。
＜参考文献＞
https://www.lanacion.com.ar/2157687-el-asesinato-de-micaela-garcia-el-caso-que-conmovio-a-gualeguay
http://batimes.com.ar/news/argentina/mira-como-nos-ponemos-argentines-sexual-harassment-abuse.phtml
https://www.lanacion.com.ar/2201637-jazmin-stuart-la-descosificacion-mujer-requiere-cambio
以上です。
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