今回は、「アルゼンチンタンゴって何?」という根本的な問いに答えます。
(以下、アルゼンチンタンゴを「タンゴ」と略称します)
1、タンゴの起源
1880年頃までに、アルゼンチン・ウルグアイの間を流れる、ラ・プラタ川の下流域の港町に住む、貧しい移民の労働者階級の中で作られていった、荒々しい踊りだったようです。
色んな地域から移民が来ていたので、そこでは様々な文化が混ざりあいました。
アフリカの「カンドンベ」、キューバの「ハバネロ」、スペインの「フラメンコ」、ポーランドの「マズルカ」、ヨーロッパの「ワルツ」などが混ざって、できあがっていったと言われています。
このタイミングで、この場所でしか起こり得なかった偶然の重なりが、奇跡(タンゴ)だと、個人的には思っています。
港町では男性の割合が多かったので、男性の間で最初は踊られ、その後娼婦のような女性とも踊るようになりました。
その後、1910年代にタンゴがヨーロッパへ伝わり、パリを中心に、一大ブームとなります。
そして、1940年代にタンゴ黄金時代を迎えて、現在踊られているたくさんの曲がこの時代に作られました。
また、タンゴでは、「バンドネオン」という楽器がよく使われます。
「タンゴの歴史」に関しては、別の機会に、詳細を解説します。
こちらは「La Cumparsita」というタンゴの中でも非常に有名な曲です。この動画の中では、バンドネオンが演奏に使われています。
2、コンチネンタルタンゴとアルゼンチンタンゴの違い
この二つを混同してしまう人が多いのですが、「コンチネンタルタンゴ(ヨーロピアンタンゴ)」とは、「アルゼンチンタンゴ」と区別する時に使う用語で、競技ダンス・社交ダンスの一種目です。こちらも通常は「タンゴ」と呼ぶので、名前は同じですが、使う音楽や、踊り方は異なります。
コンチネンタルタンゴの踊りはこんな感じです。
3、タンゴの種類
タンゴの中には3種類の曲が存在します。それぞれ拍子が異なり、2拍子のミロンガ、3拍子のワルツ、4拍子のタンゴに分かれます。音楽の雰囲気や、踊り方も異なります。
・ミロンガ(Milonga)
2拍子の曲です。カンドンベやハバネラなどの影響が強くて、リズミカルで、ワルツやタンゴよりも速い曲が多いです。
・バルス(Vals)
ヨーロッパのワルツやマズルカの影響を強く受けた、3拍子の曲です。「ワルツ(walz)」と読み方も表記も似ていますが、「バルス(vals)」となります。天空の城ラピュタで使われる呪文「バルス」とも関係ありません(笑)。日本のタンゴでは「ワルツ」と表記されることもあります。
・タンゴ(Tango)
ミロンガとワルツ以外の曲は、タンゴとなります。大半は4拍子の曲ですが、ヌエヴォやフュージョンなどの色んな形のタンゴもあります。このタンゴが3種類の中で一番一般的で、ミロンガやワルツよりもたくさん作られています。「タンゴ」という広義の曲の中に、狭義の「タンゴ」があるので、ご注意ください。
*以上の3つが、タンゴの種類です。慣れてくると、タンゴが流れて、どれがどの種類のタンゴなのか、すぐにわかるようになります。
4、タンゴのダンススタイル
タンゴには色んな踊り方がありますが、ここでは現在よく使われている、2つのスタイルを紹介します。
・タンゴ・エセナリオ(ステージタンゴ)
こちらをよく思い浮かべるかもしれませんが、ステージ上でかっこよく、男女が動く踊り方で、曲の振り付けが決まっています。アクロバットを入れたりして、人に見せるために踊るのが一般的です。タンゴのショーを見にいく時にダンサーが踊っているのも、これです。
・サロン・タンゴ
サロン、つまり社交の場で踊られていた、タンゴの踊り方です。ある程度のルールはあるものの、どんな人とも踊れるような自由な踊り方で、ステージタンゴのように踊り方が決まっていません。その日に、その場で、その人と、その曲で、楽しく「即興」で踊ります。別の言い方だと、インプロビゼーションと言います。実際に、タンゴを踊って楽しむ場合、ステージタンゴよりもこちらの方が一般的です。
*おまけですが、こちらは「タンゴヌエヴォ」と呼ばれる新しいタンゴのスタイルで、タンゴ以外の曲でも踊ってしまうことがあります。
以上、4つの点からアルゼンチンタンゴを簡単に説明しました。
興味を持ったあなた、この機会にタンゴに触れてみてはいかがでしょうか。日本はもちろんのこと、世界中でタンゴは踊られています。
踊り始めたら最後、きっとあなたも虜になるはずです。
以上です。
YouTubeでも、タンゴの情報を配信しています。
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